メイコのひとりごと

わたしからわたしへ。わたし自身へのメッセージ。

「自分の価値」を考えた日

あるイベントがあることを知り、詳細は書いてなかったのに
絶対行きたい!と思った。
これは、何でも下調べし、様々な情報を集めて検討する私にとってはかなり珍しいことだった。
行かなきゃ後悔する、と私の直感が言っていた。


詳細を訊ねると、その日のうちに返事が来た。
日程は参加者みんなで決める。もう二度とないイベントで、参加費は8万円。

交通費含めたら10万超える。遠方なので、宿泊する場合はもっとだ。今、彼と結婚資金を貯金しようと言ってるのに…。


日程を参加者みんなで決める、という点もすごく心配だった。
私の仕事は、不定休。土日は休み取りにくく、休み希望は月に3日しか書けない。希望が重なれば取れないこともあるし、取れても嫌な顔をされる。






彼に相談しよう、とLINEの画面を開き、文字を打ち込んだが、どうしても送信ボタンを押せなかった。




私は、私が心から行きたいと思っているのに、
職場の人に嫌われたくないからと行くのをやめるのか。


心から会いたい、話を聞きたい、
その人たちから学べること全部学んで感じること全部自分の糧にして前に進みたいと思っているのに、
そのためにたった10万円も払えないのか。

私のこの気持ちには、10万円の価値もないのか。


自分を大事にして本音を言って、本音で行動していこうと思っているのに、
人に相談しないと決められないのか。





私は、涙目になりながら、
参加したいと連絡した。





そして、はたと気が付いた。


ただお金を出すだけなら、もう少し大きな額を出したこともある。

しかし、自分だけのためではなかったり、形に残るモノだったりした。
そして、その時私は、早くそのお金を手放したいと思っていた。
給料泥棒と言われながら手にしたお金を、手元に置いておきたくなかったのだ。


自分だけのために、そしてただ経験するということのために、これだけのお金を使うのは初めてだった。



その瞬間、私は私の気持ちに10万円払う覚悟を決めたのだと知った。

返事を読んでから、行くと連絡するまでの約1時間の間、
本音以外の、不安とか嫌われないための計算とか全部捨てて、
ただのわたしに問いただしたのだ。

行きたいのか、行きたくないのか。

このまま自分を押し殺し周囲のご機嫌伺いをして、ただの都合のいい人になっていきたいのか、
それとも自分に正直に、本音で生きていきたいのか。





私は、あの時、カフェで半泣きになりながら、
私自身と極限まで向き合えたことを誇りに思う。

そして同時に、これまで自分と向き合うという経験をほとんどしてこなかったことにも気が付いた。


答えは明白だった、それなのに迷って自問自答を繰したのは、
この私の本音に10万円以上の価値を見出だすのに、時間がかかったからだった。

長い間本音を封じ込め、自分を蔑んで生きていた私にとって、
自分にそれだけの価値をつけるのは冒険だったのだ。




しかし、それでもいい。
そんな自分も、愛すると決めた。

これからは、自分ととことん向き合い、本音で生きていく。


そう思った、記念すべき日だった。